演武会の4番めに登場していただいたのは、竹内健二先生。24式などの制定太極拳で全日本二連覇。東京都大会23年連続優勝という、日本人で最も太極拳を美しく演じると言われる先生です。
私が竹内先生に、BUDO-STATIONでぜひ、とお願いしたのは、私自身、竹内先生から多くの学びのきっかけを与えられたからです。
私が松田先生から中国武術を学んでいた40年前の時代は、中国武術界は玉石混合。自分達の学んでいる中国武術だけが本物で、他は不完全な物。表演などは表面だけで中身がないので問題外。という雰囲気でした。
当時は極真人気が盛りあがり、極真が寸止めは型ばかりやる空手ダンス、などと批判していたのと同じ雰囲気ですね。
私もそんな空気の中で育った訳ですが、竹内先生とお付き合いする内に、自分の偏狭な武術観に次第に気づかされました。
武術は戦う前に、先人の伝える身体操作を正確に身体に浸みこませねばなりません。その前に格闘技的な組手をやっても格闘技的には上達しても武術的深化と必ずしも一致しない。むしろ、全然違うものだ、ということが次第に私にも分かってきました。
すると、下手に組手を研究する中国武術修行者より、表演一本で身体操作をひたすら磨き続ける人の方が正しい修行段階を踏んでいることになる。まずはコンフーを身につけろ、ということですが、それが松田先生の教えの第一だったと、今さらながら気づきました。
ですから、BUDO-STATIONにお招きした先生方は竹内先生、沈剛先生、瀬戸先生、川口先生、いずれも素晴らしいコンフーの持ち主。武術はまずはここからスタートです。
竹内先生の太極拳クラスは毎週金曜一時から一時間ずつ3クラス。来週から始まります。
得意の42式太極拳を演じる竹内先生。
こちらは42式太極劍。いい套路ですね。