BUDO-STATIONブログ 山田英司 日常

不思議なインストラクター用語のナゾ

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私はユーチューブなどで良くキックボクシングジムの指導風景などをチェックします。
そこでしばしば気づくのは、若いキックインストラクター独特の奇妙な日本語。
「力を抜いてあげて下さい」「肩を上げてあげて下さい」なぜ「力を抜いて下さい」「肩を上げて下さい」じゃダメなのか?しかも「あげてあげて」じゃ二回上げるのかと思っちゃいますよね。
今の若者の日本語が乱れとる!と言いたいわけではありません。文法的にはギリギリ間違っていませんが、なぜこう言う表現が若いスポーツインストラクターを席巻してるのか?その訳を知りたいだけです。
そもそも「〜あげる」という日本語は文法的には必ず主語が一人称になる授受動詞であり、受益者に感謝や恩恵を求めるもの。
「(私が)弟に靴を買ってあげた」と言うのは正しいですが、「弟が私に買ってあげた」はおかしいですね。ということは、例えば「肩を上げてあげて下さい」という場合、一人称の私が、自分の身体に感謝や恩恵を求めていることになります。これはある意味凄くないですか。
私はこの表現の裏には今流行りの犬やペットを「うちの子」と呼んだりする擬人化ブームや、自己の身体をメタ化するマインドフルネスのブームも関係しているかもしれない、とも考えました。
もともと「〜あげる」の表現は数十年程前の女性用シャンプーのCMで「髪に潤いを与えてあげる」という表現がヒットし、美容業界に浸透したようです。
近年のキックジムは女性がフィットネス目的で来ることが多く、キックジムのインストラクターも、女性におもねる表現として、美容業界の「〜あげる」を連発し、奇妙なインストラクター用語が出来上がったのではないか、というのが私の推論。あ、あと若いキックインストラクターがあまり国語を勉強してこなかった人が多い、という可能性もあります。やはり文武両道が大切、という結論になるんでしょうか。

女性におもねる表現を使いたくなるのは、男としてはわかります。

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