三才剣の対打は非常に実戦感覚を磨くのにいい。
実戦で剣を使うからじゃありませんよ。
相手の剣を流して胴を斬る。すると相手が流して反対に斬ってくる。
これを互いに推手のように繰り返しつつ走り回る動きがあります。
だいたいこの時に壁にぶつかったり、蛍光灯をぶち割ったりします。
相手しか見てないので周囲が見えなくなってしまうのです。
だから私はわざと練習場所の真ん中にイスを置いたりします。
すると危ないので皆ようやく周囲も見始めます。
格闘技と違い、護身や喧嘩は相手より、周囲が大事。そもそも太極拳などの投げ技や倒し技は、壁、地面、障害物の三つを意識すると、いきなり効果的。要はこの三つのどれかに相手をぶつけるのです。
格闘技のような試合場をイメージしてたら、真の実戦技は身につきません。
太極拳も八極拳も日常的な場でこそ、力を発揮する実戦武術です。
剣の対打中にそっとイスが置かれます。
相手をイス、すなわち障害物に向けて倒してやります。こうしたコントロールに最も長けているのが太極拳です。
障害物、壁、床と三つの場所に向けて相手をコントロール。一瞬で相手にダメージを与えられます。