今や総合格闘技はジャンルとして定着し、アメリカでもUFCはエンターテイメントコンテンツとして確立。30数年前は日本には総合格闘技という言葉さえなかったのに。
その創始者と言えば二人の名前が思い浮かびます。意外かもしれませんが、ジークンドー創始者のブルース・リー。今では当たり前のビッグミットやオープンフィンガーグローブなども考案。寝技も含む攻防も73年公開の燃えドラで早くも見せています。
そして日本で最初に打、投、極の三要素を含む格闘技をルール化し、プロ興行を行なったのが佐山聡先生。これが85年。そして翌年にはその体系をまとめたシューティング入門を講談社から出版。内弟子だった中村頼永先生が相手役や、イラストも担当した本です。
その後、シューティングは修斗として格闘競技として確立していきましたが、中村先生はアメリカでUSA修斗として佐山先生の技術を広めていきました。
あくまでもシューティング創設当時の若き佐山先生の技術ですね。この、若い頃の技術の伝承は大切です。仮に未完成な部分があっても、直伝の弟子だけがその先生の怖さ、痛さと共に技術を伝承することができるのですから。
私も若い頃の一番怖かった松田先生の八極拳を今も伝え続けているのは、そこに魂がこもっていると考えるからです。
今回、中村先生が責任編集、監修し、若い頃の佐山先生が出したシューティング入門の復刻版が完成しました。新しく8ページ追加分があるにしろ、内容は当時のままだから価値がある。中村先生が伝えたかったのは、修斗創始者としての佐山先生の魂だったのかもしれません。
本は限定1000部。定価3000円。7月31日から水道橋タイガーアーツ(03-6261-1988)で買うことができます。
佐山聡著シューティング入門が復刻
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