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喧嘩術の達人、斎藤一の本

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浅田次郎の一刀斎夢録はオススメですよ。私は読むのは二回目ですが、一回目より、さらに感動したなあ。
一刀斎とは、斎藤一を逆から読んだアダ名。もちろん新撰組三番隊組長の斎藤一です。この人は新撰組の中でも最強説があり、共に明治まで生き延びた永倉新八も斎藤を「無敵の劍」と評しています。斎藤一には明治になり、インタビュー記事をまとめた「夢録」があると言われていますが浅田本はそのインタビューにかけて夢録と名付けたのでしょう。実際は浅田次郎の創作でしょうが、本当のインタビューのようにリアリティがあり、息遣いさえ聞こえてきます。
浅田本では明治になり、竹刀剣道の全日本準優勝者の軍人に、喧嘩術のような実戦劍の極意を話す構成。まさに林先生の福さんの世界。ちなみに斎藤一の「無敵の劍」の構造も今回、わかりました。戦時中、少数の撃墜王が敵機撃墜の7割を占めたのと同じ理屈で、一度命を賭けて勝利すると、自分はデビュー戦じゃないのに相手はデビュー戦。勝つ確率は試合をするたびに上がっていきます。
新撰組の古株の人は百人以上斬ってるわけですから、人を斬ったことのない志士達がかなうわけがありません。キックのデビュー戦で百戦以上戦っているムエタイランカーといきなり戦うようなもんですからね。しかし、勝つ側にとってはキャリアは減ることがないので無敵はますます無敵になる。おそらく宮本武蔵や荒木又右衛門の無敵もこうした理屈でしょう。
多くはデビュー戦で命を無くしているので、デビュー戦をいかに勝つかが無敵への第一歩になるわけです。
そんな斎藤一の本物の写真が三年前に遺族から発表されたのには驚きました。それが下の写真。何となく林先生に似てる。やはり喧嘩術の達人は雰囲気が似るんですかね。

浅田次郎の新撰組三部作は何れも面白いけど、この本のリアリティは凄い。まさに喧嘩術の副読本です。


その斎藤一の晩年の写真が近年公開されました。新撰組は何れもイケメン揃いですね。

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