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大メディアの中の池上彰氏の悩み

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池上彰氏の解説はわかりやすくて私も好きですが、ここのところパクリ疑惑やヤラセ疑惑がネットで話題になってますね。
専門家の意見を番組スタッフが聞き取りし、それを池上彰氏の意見として使わせて欲しい、なんて言われたらそりゃ専門家は怒ります。
お金じゃなく、プライドの問題です。
実は私も昔、同じようなことを言われて断ったことがあります。あるライターが太極拳はどうやれば実戦に使えるのか?発勁の方法は?Q&Aの答えだけ書いて欲しい。自分の名前で本は出すけどギャラは払う、なんて言われたことを思い出しました。
また、ある雑誌社は私の格闘技理論の記事を再録する際、筆者の名前だけ削って出版してました。頭に来ますよね。
その時まで私はぼんやりと自分の格闘技理論を雑誌に書いたりしてたのですが、ひょっとしてパクリでも誰かが先に私の理論を語ったら、私がパクったと思われるかも。
自律動作も他律動作も攻脈線も私が創出した概念ですが、それらをパクられる前に本にしなければならない、と思って慌ててだしたのが、「武術の構造」の初版本でした。
この本はいくつかの版元から出され、版を重ねましたが、その執筆の動機は、自分の理論を他人の名前で出されたくない、という俗っぽい一心からでした。
でも、それほど専門家は自分の意見や研究成果にはプライドを持っているもの。情報の発信元を明確にするのがメディアの存立基盤なのに、メディアが自らそれを崩したらダメでしょう。
ネットが盛んになった今だからこそ、匿名性の情報と、発信元が明らかな情報の差をメディアは示していかねばならないのに。
昔は大メディアと言われた地上波と新聞ですが、今は制作スタッフの質は明らかに落ちていますね。
今のままでは大メディアは、娯楽の提供以外の機能を期待されなくなるかも。いや、もうそういう時代になってるかもしれませんね。

 

池上彰氏も忙し過ぎるのでしょう。暇な時間がないと、自分の意見は醸成されないものです。

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